境新一(現教員)著
2017年3月1日 中央経済社
定価:3,400円+税
ISBN 978-4-502-22501-7
A5判 口絵カラー4ページ、全280ページ
本書の構成
本書は,ビジネスにおけるアート(芸術)の必要性をいくつかの視点から考察する。
その際に鍵となるのが,「プロデュース」,「プロデューサー」である。
プロデューサーはアートとビジネスの媒介者としてデザインやブランドを通してアートを
ビジネスにつなげる。
アートとビジネスの融合を標榜する本書のキーワードは,「アート」「ビジネス」「プロ
デュース」「マネジメント」の4つであり,これらを組み合わせると「アート・プロデュ
ース」(芸術創造),「アート・マネジメント」(芸術経営),「ビジネス・プロデュー
ス」(事業創造),「ビジネス・マネジメント」(事業経営)となる。
これらは,一見バラバラで個別の領域に見える。しかし,実はこの4つのカテゴリーは表
裏一体であり,このうちいずれのカテゴリーを論じたとしても,その背後には常に3つの
カテゴリーが意識されていることに留意が必要である。
これらの事を踏まえながら,今後一層必要となる「プロデュース」「プロデューサー」と
いう機能・役割について,筆者自身によるプロデュース経験を踏まえて,感動創造ならび
に価値創造(感動・価値創造)の理論とその事例に焦点をあて,アート・プロデュース
(arts production)という概念,アート・プロデューサーの意義と役割,求められる7つ
の要件について解説する。
第Ⅰ部 アート・プロデュースの前提概念
芸術・アート,イベント,コミュニティ,フィールドワーク,感動創造などの基礎概念を整理する。
第Ⅱ部 アート・プロデュースの枠組み
本書の中核となるプロデュース,プロデューサー,アート・プロデュースなどの理論とその枠組み
を述べる。
第Ⅲ部 イベントならびに教育に関する方法論
イベントに関する方法論として,コンサート,展覧会,展示会・産業祭・商店街イベント,ファッ
ション・ショー,学会の各分野から具体的に論じる。
さらに,プロデュースの教育に関する方法論も取り上げる。
第Ⅳ部 事例
事例として,フィールドワークを踏まえてプロデュースの対象となるイベント,教育,学会,産学
公の連携による企業,大学,行政と地域の連携―という3つの領域から整理する。
なお,本書は「平成28年度成城大学科学研究費助成事業等間接経費による研究支援プロジェクト/研究成果の公表(出版等助成)支援」を受けております。