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末光進(7D)編著
2014年7月1日 オムロプリント
定価:1,600円+税

本文<はじめに>より

 不幸と思う裏に幸が宿っていると認識したのが家屋などの財産を失った昭和57年7月23日
の長崎大水害でした。「命に明日という日はない」、「生きるとは経験を積み重ねること」
「生と死は隣り合わせだ」と思いました。全てを失い途方にくれていたある日、「この世で
水害に遭うなど、誰もが出来ない経験だ」という言葉が頭をよぎった瞬間、落ち込んでいた
気持ちが霧散しました。どんなときにも晴れやかに生きようと心に強く抱いたこのときから
「不幸」の言葉が色あせました。
 思いがけない災害・事故・事件などに遭うと、「想定外・・・」といって、不運な悪いこ
とをイメージします。一方、良いことに出遭うと、「想像した通り・・・」や「好運にも・
・・」と言います。そのように言葉を使い分けて過去を振り返ると、今さらながら想定外の
ことばかりが目立ちます。これらの「想定外」で今の私は育てられたことに気付きました。

 個人の履歴など他人に話すものではないですが、もしかしたら私の経験が他の人の参考に
なるかも知れないと、清水の舞台を飛び降りました。お見苦しいのですが、ここに前後の脈
絡もなく、思い出すまま文章としてみました。