寄稿者:E.N
台風直撃が予想され、来聴者が少なくならないか心配されたが、
100名を越える方々が来られて松岡氏(キューちゃん)の話を楽しまれた。
前半は、彼が成城学園を卒業して音楽の道-指揮者として-人生のスタートを切るまでの姿を生々しく話された。医者である父君との将来に対する意見の食い違いによる苦労。
その苦労の中で自分の意志を貫き、殆ど自活の様な生活をしながら得た現在の彼の姿が素晴らしく映った。自分のアイデンティティを知り、更に日本語・文化の、そして日本人のアイデンティティをしっかり認識することの大切さを訴えていた。
後半は、「日本人であることを認めて」西洋音楽に取り組むことの難しさとポイントを、日本人と西洋人の骨格の違いからくる発声の違い、日本語のモーラ言語としての特徴からくるリズムの違い、日本文化に根差す単調偏好の傾向等にわたって、実際の楽譜を使って細細と興味深く話された。